Independent DVD production diary

制作日記・特別編集版

2002.12.11

リップシンクのテスト、なんとか終わりました。これで、全面的に導入できそうです。「Flash アニメーション・スタジオを設立する」制作日記は、描いたキャラクターに喋らせる‥という手法で進めることにします。全シーンに使うのは避けますけど。口が動く絵は、8枚です。これで十分ですね。使ったソフトは、もちろん「Toon Boom Studio」です。
プロセスはこんな感じ。

1)口の動画8枚を描く(今回はIllustratorを使用)
2)音声素材を用意(とりあえずフリー素材集から)
3)Toon Boom Studioを起動して、音声ファイルを読み込む
4)リップチャートを作成
5)口の動画を読み込む
6)リップシンク済みのシーンとしてSWFを書き出す
7)Flash MXを起動してSWFを読み込む
8)調整作業
9)パブリッシュ

今回のサンプルムービーの作業時間は、1時間。なぜ、1時間もかかったのか? 単純に初めて使う機能だったからです‥。そうですね、慣れれば30分くらいでしょうか。(口の絵を描く時間は含まれていません。)Toon Boom Studioは、読み込んだ音声を解析して、8つの音素に振り分けてくれます。
これが‥

「リップチャート」

‥です。
この機能だけでも、Toon Boom Studioを使う価値があると思います。(あと、3Dシーンプランニングの機能ですね。)口合わせは、Toon Boom Studioが自動的にやってくれるので、長い時間のアニメーションでも楽です。実際は、延々10分も1シーンで話すというのはないですよね。実写でも、シーンが切り替わるんですから。

画像:ToonBoomStudioのウィンドウ画面

[Toon Boom Studioのサウンド編集画面、ここでリップシンクのチェック]

画像:ToonBoomStudioのウィンドウ画面

[音声を解析して8つの音素に振り分けたもの(左図)]

1つだけトラブル。読み込んだ口の絵が崩れるんですねぇ。線の太さが変わったり。なぜ、こうなるんでしょう?読み込んだのは、IllustratorのAIファイルです。小さく表示すれば目立たないのですが、大きくすると気になります。原因がまだ判明しないので、Flashの方で修正しました。修正、といっても実は簡単なんです。8つの絵を取り替えるだけ。(シンボル内の絵をオリジナルの絵と入れ替えます。)10分喋っていても、これだけです。

画像:Flash MXのオーサリング画面

Flashムービーを見る
※音声が流れますので仕事中の方はご注意

‥ということで、予想通り簡単にできてしまったリップシンク。Flashにもこういう機能があったら‥、と思ってしまいます。キャラクターデザインもこれでいいでしょう。このあたりは素人の妥協でしかありませんが。
さて、サンプルムービーに使用した音声ですが‥

「音楽工房 Vol.3 SUPER VOICE 5000」(DDN)

という素材集から選びました。
電話番号やFAX番号を喋ってますが、これは素材集を販売しているDDNさんの番号でした。今回は、素材集を使ってますので‥
さすがにFLAファイルのダウンロードはありません。いくら著作権フリーでもダメですよね。

「Flash アニメーション・スタジオを設立する」制作日記では、私がナレーションしますので、著作権の問題もクリアとなります。
ある程度できた時点でFLAファイルをアップしたいと思います。私は喋りのプロではありませんから、滑舌の問題はあるでしょうね。


2002.12.12

今日は、リップシンクをどのくらい使うか、大まかに割り出してみました。最初から最後まで、全部動かすわけにはいきませんよね。見ている人も飽きますし。振り分けの内容は、こんな感じ‥

1)リップシンク
2)フレームの外で喋る(つまりキャラクターを隠す)
3)シルエット表現(口の動きを見せない)

ある程度、喋ったらキャラクターをフレームの外に出し、解説画面に注目させる。企業のプロモーション映像などにも、よく使われる手法です。特にアニメーションの場合、作業の効率化にもつながります。あと、シルエットにしたり、コントラストを強くして(影を完全に黒にして)、口を見えなくしてしまうという手法もあります。今回、ちょっと使ってみようと思います。

コントラストを強くする‥

例えば、アメリカン・コミックの「HELLBOY」みたいな描き方ですね。このコミックの作者であるMIKE MIGNOLA は、日本でもすごく人気のあるアーチストです。影の部分を完全な黒ベタで表現する技法なんですが、これは‥

ベクトルグラフィックとしても好都合!

‥なのです。要するに、影の中に情報がないわけですから。塗り、黒100%!但し、この技法を使うと、”普通”の絵じゃなくなります。通常、劇的なシーンなどに用いられるもの。全編、これでやったら、かなりダークなイメージになります。まぁ、自治体の広報映像には使えないでしょうね。「Flash アニメーション・スタジオを設立する」制作日記の動画部分では、積極的に入れてみます。

写真:「パワーパフガールズ」テレビ画面

[こういうタッチが一番Flash(ベクトルグラフィック)向きですが‥]

写真:MIKE MIGNOLAの人気コミック「HELLBOY」

[日本でも人気の高いアーチストMIKE MIGNOLAのコミック‥]
[コントラストの強い描画タッチに注目!]

とりあえず、リップシンクの作業プロセスが確認できたので、このまま進みます。キャラクターの絵柄は、コントラスト強めで調整してみます。ヘンな感じだったら、キャラクターを変更。この段階で時間を消費するわけにはいきませんが‥。
制作かなり遅れています。


2002.12.13

リップシンクの追加作業をちょっとだけ。ナレーションを淡々と喋らせるだけでは、あまりに芸がないので‥多少、演出を加えてみることにしました。

1)カメラ技法
2)ライティング技法

カメラ技法は簡単。拡大縮小するだけですから。キャラクターと背景の拡大率を変えながら動かすだけで、カメラのズームのような効果になります。ライティング技法は、下から照明をあてたり、薄暗くしたり‥。リップシンクしてますから、ちょっと工夫が必要。こんな感じだと手早く作業できます。

1)リップシンクムービー(FLA)を複製する
2)影処理した8つの絵(シンボル)と入れ替える
3)オリジナルのリップシンクムービー(FLA)にライブラリとして読み込む
4)タイムラインに配置(オリジナルと影処理したものが重なる)
5)フレームを編集して演出する

箇条書きだと、わかりにくいと思いますが‥
要は、影処理されたムービークリップがタイムライン上で重なっているだけ。サンプルムービーを見てください。やっていることは、すごく単純です。ActionScriptを使えば、もっとスマートになるんですが、ここは手早く済ませてしまいます。DVD用のアニメーションがメインですから‥。

画像:オリジナルと影処理された絵

[影処理ムービークリップは、この8つの絵(シンボル)を入れ替えるだけでOK]

画像:Flash MXのオーサリング画面

Flashムービーを見る
※音声が流れますので仕事中の方はご注意

アップしたサンプルムービーをよく見てください。影処理の絵に切り替わると画面がパカパカしますよね。これは、書き換え処理が間に合っていないんです。画面が波打つ感じ。Flash Playerは必死にレンダリングしているのですが、なかなか追いつかない。古いパソコンで再生したら、描画しているのが見えてしまうくらい重たいのです。もちろんビデオファイルに変換すれば、何の問題もありません。面白い効果として楽しめます。

画像:Flash MXのオーサリング画面

[誰でもできる超簡単な方法でも、FlashPlayerには大きな負担]

Flash(SWF)アニメーションとして公開する場合は、要注意ですね。
‥というより、この表現はやめた方がいい。アルファ使って、ゆっくりスムーズに画面がオーバーラップする、なんて処理はビデオじゃないとダメでしょうね。Flash(SWF)だと厳しい。
DVDとWebの2バージョンになったとしても、使い分けを優先すべきでしょうね。

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