「CSSビジュアルデザイン・メソッド」は、あるプロジェクトで使われていた「プランブック」というWebサイトデザイン・プランのドキュメントファイルがベースになっています。「プランブック」というのは、米国のブックストアやニューススタンドなどで売っている住宅の設計プランを掲載している本のことです。たくさんの設計プランが紹介されており、外観やインテリア、そして使用される材料なども比較できるようになっています。
Webプロジェクトにおける「プランブック」も同様の機能を持っており、主にプロトタイピングモデルで進められるプロジェクトで威力を発揮します。上流工程でプロトタイプが作られると、クライアントとの意見交換も早い段階から活発に行われ、何度もレビューを繰り返しながら仕様をかためていくことができます。スケッチや仕様書だけではなく、実際にWebブラウザを使って確認できるため、イメージのすり合わせにも適しています(手戻りによる負荷が軽減されます)。「プランブック」というのはプロトタイピングを支援する強力なツールとして捉えることができるかもしれません。プロジェクトの指針やUIポリシーに沿って揃えられた設計プランが大量に掲載されており、段階的詳細化の作業に役立ちます。
本書では特に「視覚表現の価値を高める」パートについて取り上げており、その概念を「バリューデザイン」と呼んでいます。重要なポイントは「ルール化」です。CSSデザインを効率化するためのルールを7つ設定して、各テーマごとに作られたサンプルを紹介しています。これは前述した「プランブック」の一例にもなっています。
現在のWebデザインは新たな要求が次々と入り込み、何を優先して作業を進めればよいのか混乱してしまう場面も少なくありません。このあたりで一度、作業内容を全て書き出して、優先順位をつけてみると良いでしょう。本来やらなくてはいけない作業時間が圧迫されていたり、重複する作業がいくつもあったり、過去の作業ノウハウがまったく生かされていない、といった発見があるはずです。デザインも自由すぎると指針を決められませんので、ルールを作ることはとても意味があります。CSSで言えば、単位の付け方、コメントの書き方、ショートハンドかロングハンドか等々、明確に決めておくことで、自然と作業の進行も洗練されていきます。
「CSSビジュアルデザイン・メソッド」は、「こうしましょう」という解説本ではありませんが、自分の作業(ワークスタイル)を見直すためのオルタナティブ・ブックとして参考にしていただけたら幸いです。
2006.11.23 monkeyish studio.